University of Electro-Communications, Institute for Laser Science, Tokurakawa Lab
戸倉川研究室では国内外の企業・大学と協力し、波長2-20 μm 帯中赤外光光源の開発と応用研究を
目指し現在以下のようなテーマに取り組んでいます。
1.Tm添加混晶媒質を用いた波長2 μm帯超短パルスレーザーの研究
2. 正常分散Tmファイバーを用いた波長2 μm帯超短パルスレーザーの研究
3. 波長2 μm帯ナノ秒パルスTmファイバーレーザーの開発と加工応用
4. ホログラフィック顕微鏡の開発
5. LD直接励起中赤外超短パルス発振器の研究
6. 波長2μm帯超短パルスレーザーのファイバー増幅
7. Ho添加媒質を用いた高出力な波長2µm帯超短パルスレーザーの研究
8. 超高繰り返し中赤外デュアルコム光源の開発
高効率・高出力な超短パルス中赤外固体レーザー
Tm添加固体レーザーやCr添加固体レーザーを用いた波長2~2.5μm帯超短パルス光源の開発を行っています。
共振器内での非線形光学効果や複合利得媒質を利用して波長2 µm帯の固体レーザーでは世界最短パルスの発生に成功してします。
今後の目標としては波長2μm帯の最短パルス発生や、非線形波長変換では難しい、高効率、高出力な波長2 μm
帯超短パルス光源の開発を目指しています。
2μm帯超短パルスファイバーレーザー
ファイバーレーザーでは波長に依存してシングル横モード時のファイバーコアサイズを大きくすること可能であり、現在の主流である波長1μm帯ファイバーレーザーに比べ波長2 µm帯ではラマン散乱やブリルアン散乱などの非線形効果の抑制が可能です。
我々は小型でメンテナンス性や可搬性を考慮した応用上望ましい、ファイバーレーザーの開発を目指し、半導体可飽和吸収体鏡を用いた波長可変ノイズ ライクパルス発振器、非線形ループミラーを用いた全ファイバー型高パルスエネルギー発振器、10Wレベル増幅器、非線形偏波回転を用いたソリトン モード同期発振器を実現しています。また最近ではフッ化物ファイバーを用いた初めての全正常分散モード同期ファイバーレーザーの開発にも成功しています。これらの光源を用いて超広帯域白色光発生、有機ポリマー材やシリコン材料のレーザー加工などの応用を行っています
上述のレーザー光源を励起光源とした、波長帯2-20μm中赤外波長変換を目指しています。 将来的な応用としては近年の急激な地球環境変化を可視化し対応するための中赤外LIDARによる環境計測、高輝度広帯域の中赤外光源を用いた高機能呼気分析を 用いた非侵襲性型スクリーニングによる早期発見・治療を重視した次世代医療システムの構築、中赤外励起光源を用いたコヒーレント軟X線光源よる次世代構造 物性学などへの寄与を目指しています。
増幅自然放出光光源・超広帯域光源・波長可変光源
ホログラフィック顕微鏡の開発
対象の形状・構造を高分解能に観察することに加え、分子分布を可視化する技術が必要とされています。
例えば:ドラッグデリバリーの観測、生体組織の活動(膨張・発熱?)、がん化した細胞の検出
我々が開発中の中赤外光源を用いたフォトサーマル顕微鏡の開発を目指し、ホログラフィック顕微鏡の開発を進めています。
上記研究は以下の支援のもと行われています。
・社会実装を目的とした小型安価で使い易い中赤外デュアルコム光源の開発,
公益財団法人JKA 2024年度競輪とオートレースの補助授業2024年4月-2025年3月
・超高輝度ファイバーレーザー励起中赤外チャープパルス増幅システムの探索,
2024年度 基盤研究(B)(一般) 2024年4月 - 2027年3月
・高ビーム品質な励起光特性を利用した波長2.1 µm帯ホロニウム添加ps fs短パルス加工光源,
公益財団法人 天田財団 2023年10月 - 2026年3月
松尾学術振興財団 2022年 - 2023年
・波長2μm帯レーザー加工用、高エネルギー超短パルスTmファイバー発振器の開発,
科研費 基盤C 2019年4月 - 2022年3月
・光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)次世代レーザー
電気通信大学内分担者 2018年~2028年度
・波長2μm帯ナノ秒/フェムト秒光パルス増幅器の開発および加工応用,
天田財団 2017年10月 - 2020年3月
・In-band励起を用いた高性能2μm帯短パルスTm添加固体レーザー光源の研究,
科研費 若手B 2016年4月 - 2018年3月
公益財団法人 天田財団 レーザプロセッシング 一般研究開発助成 2014年 - 2017年3月
・イッテルビウム添加媒質を用いた高出力・高エネルギー超短パルス光源及び増幅器の開発,
2009年4月 - 2010年3月